退職で損害賠償すると脅されたら?払う前に見るべきポイントを解説

退職を伝えたあと、会社から「辞めるなら損害賠償する」と言われた場合、その言葉だけで退職できなくなるわけではありません。

ただし、何も見ずに「無視でいい」と決めるのも危険です。

会社の言葉が、退職を止めるための圧力なのか、金銭請求の根拠がある話なのか、まずは分けて見る必要があります。

この記事では、退職時に会社から損害賠償をちらつかされたときに、何を分けて見るべきかを扱います。

  • 退職しただけで損害賠償になるのか
  • 「辞めたら〇万円」と実際の損害請求の違い
  • 会社への返事で入れる言葉、削る言葉

このサイトでは、元大手人材紹介会社で退職・転職相談に関わってきた経験をもとに、会社の言葉と書面に残る内容を分けて見る記事を作成しています。

退職時のトラブルでは、強い言葉そのものより、退職日、請求額、誓約書、給与明細に何が残るかで状況が変わります。

この記事でも、会社の言い分をそのまま飲み込まず、退職意思と金銭請求を切り分けて見ていきます。

「損害賠償する」は飲み込まない

退職を伝えた直後に「損害賠償する」と言われると、その言葉だけで話が止まってしまうことがあります。

上司や社長から強い口調で言われると、退職届を出すこと自体が悪いことのように見えるかもしれません。

ただ、最初に分けたいのは、会社が本当に金銭請求をしているのか、それとも退職を止めるために強い言葉を使っているのかです。

退職を止める言葉なのか

会社が使う言葉には、実際の請求ではなく、退職を思いとどまらせるための言い方が混ざることがあります。

たとえば、次のような言葉です。

  • 「急に辞めるなら損害賠償する」
  • 「会社に迷惑をかけた責任を取れ」
  • 「引き継ぎが終わるまで辞めさせない」
  • 「取引先に迷惑がかかったら請求する」
  • 「弁護士を立てる」
  • 「退職届は受け取らない」

これらは強い言葉ですが、言われた瞬間に支払い義務が決まるわけではありません。

会社の言葉が強いことと、その請求に根拠があることは別です。

まず見るべきなのは、会社が具体的に何を請求しているのかです。

金額があるのか、内訳があるのか、どの書類に基づくのか、実際にどんな損害が出たと言っているのか。

ここが曖昧なまま、退職意思まで下げる必要はありません。

金額の話は書面に寄せる

口頭で「損害賠償」と言われた場合、その場で反論しようとすると話が荒れやすくなります。

特に避けたいのは、その場の勢いで「払います」「すみません、責任を取ります」と言ってしまうことです。

会社が金銭の話をしてきたら、会話で決めず、書面やメールに寄せた方が安全です。

見るべきなのは、次のような中身です。

  • 請求額はいくらか
  • 請求の根拠は何か
  • 内訳はあるか
  • どの行為によって損害が出たとされているか
  • 退職そのものと損害に直接の関係があるか

会社が本当に請求するつもりなら、金額や根拠を示す必要があります。

逆に、口頭では強く言っていても、書面では具体的に出てこないこともあります。

その差を見るためにも、金銭の話は会話で飲み込まないことです。

辞めるだけで賠償とは限らない

退職と損害賠償は、同じ話ではありません。

会社に迷惑がかかると言われても、それだけで当然に損害賠償義務が生まれるわけではありません。

退職できるかどうかと、会社が金銭請求できるかどうかは、分けて見ます。

期間の定めがない雇用

正社員など、期間の定めがない雇用契約では、民法上、いつでも解約の申入れができ、申入れの日から2週間で雇用契約が終了するのが基本です。

会社の同意がなければ退職できない、というものではありません。

就業規則に「退職は1か月前までに申し出る」などと書かれていることはあります。

そのため、就業規則の退職申入れ期間も見る必要はあります。

ただし、会社が「認めない」と言っただけで、退職の意思表示が消えるわけではありません。

ここで大切なのは、退職届を受け取ってもらえるかどうかより、退職の意思表示をいつ、どの形で残したかです。

口頭だけで話していると、あとから「退職の意思は聞いていない」「退職日は合意していない」と言われる余地が残ります。

退職日を日付で書き、メールや書面で残す方が、話を曖昧にされにくくなります。

有期契約は途中退職が重い

契約社員など、雇用期間が決まっている場合は、期間の定めがない雇用とは見方が変わります。

有期契約では、契約期間の途中で一方的に辞める場面で、やむを得ない事由があるかどうかが問題になることがあります。

また、その事由が一方の過失による場合には、損害賠償が問題になることもあります。

つまり、有期契約では「いつでも同じように辞められる」とは書けません。

ただし、この場合でも、会社が言った金額をそのまま払う話にはなりません。

契約内容、退職理由、退職までのやり取り、会社が主張する損害の中身を分けて見る必要があります。

ここで分けたいのは、退職の可否と金銭請求です。

  • 期間の定めがない雇用では、退職申入れから2週間で終了するのが基本
  • 有期契約では、契約期間中の退職理由や契約内容を見る
  • どちらの場合も、会社が言った金額をその場で認めない

「辞めたら〇万円」は別物

会社から「辞めるなら30万円払え」「研修費を返せ」「採用費を返せ」と言われることがあります。

このときに最初に見るのは、その請求が「辞めたことへの罰金」のようなものなのか、実際に発生した損害の話なのかです。

同じ損害賠償という言葉でも、中身は分けて見なければいけません。

違約金と実損害は違う

労働基準法16条では、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額をあらかじめ決めたりすることは禁止されています。

たとえば、「入社後1年以内に辞めたら50万円」「引き継ぎ前に辞めたら30万円」というように、退職や契約違反に対して先に金額を決めておく形は問題になりやすいです。

一方で、現実に労働者の責任で損害が発生した場合に、会社がその損害について請求することまで一律に禁止されているわけではありません。

ここが混ざると、会社の言葉に飲まれやすくなります。

「辞めたら〇万円」と、実際に発生した損害を請求する話は別です。

会社が「損害賠償」と言ってきたら、まずは次の点を見ます。

  • 金額があらかじめ決められていたものか
  • 実際に発生した損害の内訳があるか
  • 自分の退職行為と損害に直接の関係があるか
  • 会社側の人員不足や管理体制の問題が混ざっていないか
  • 就業規則や誓約書にどのような記載があるか

「会社に迷惑がかかった」というだけでは、金額の根拠にはなりません。

損害の中身、金額、原因を分けて見る必要があります。

研修費や採用費を言われた時

退職時に言われやすいのが、研修費や採用費です。

「あなたを採用するのに費用がかかった」「研修を受けさせたのに辞めるなら返してもらう」と言われる場面です。

たしかに、会社が採用や教育に費用をかけていることはあります。

しかし、それだけで当然に労働者が返す話になるわけではありません。

研修費の返還を言われたら、まずは次の書類を見ます。

  • 研修費や資格取得費に関する誓約書
  • 雇用契約書
  • 労働条件通知書
  • 就業規則
  • 会社から届いた請求書やメール

特に、業務に必要な研修なのか、本人が自由に選んだ資格取得支援なのか、返還条件がどう書かれているのかで見方が変わります。

採用費についても、会社が通常の採用活動として負担した費用を、退職者へ当然に請求できるとは限りません。

会社から金額を言われたときは、金額そのものより先に、根拠と内訳を見てください。

「辞めたら〇万円」と言われたら、金額だけを見ないでください。

  • 違約金のように先に決められた金額なのかを見る
  • 実際に発生した損害の内訳があるかを見る
  • 研修費や採用費は、誓約書や就業規則と照らす

本当に危ない退職のしかた

会社の損害賠償発言をそのまま信じる必要はありません。

ただし、どんな辞め方をしても問題にならない、という意味でもありません。

退職時に避けたいのは、会社に不利な材料を渡してしまう辞め方です。

無断欠勤とデータ削除

損害賠償をちらつかされると、会社に行くこと自体が嫌になり、そのまま連絡を絶ちたくなることがあります。

しかし、無断欠勤に切り替えると、会社側に「業務に支障が出た」と言われる材料を増やすことがあります。

また、退職前に業務データを削除したり、顧客情報を持ち出したりする行為は、退職そのものとは別の問題になります。

退職したいことと、会社のデータを消すことはまったく別の話です。

貸与PC、会社スマホ、名刺、鍵、社員証なども同じです。

返却を放置すると、退職後も連絡が続く理由になります。

会社から強く言われているときほど、退職意思、引き継ぎ、貸与品返却は形にして残した方がいいです。

顧客対応を放置した場合

営業、カスタマーサポート、プロジェクト担当などの場合、退職前に顧客対応が残っていることがあります。

会社が「取引先に迷惑がかかったら請求する」と言う場面も、このあたりで起きやすいです。

もちろん、会社の人員不足や引き継ぎ体制の不備まで、退職者がすべて背負う必要はありません。

ただ、進行中の案件、顧客名、期限、次に必要な対応を何も残さないと、会社から責任を強く言われやすくなります。

引き継ぎは、会社が満足するまで無制限に付き合うものではありません。

それでも、退職日までに残せる範囲を資料にしておくことで、あとから「何もしていない」と言われにくくなります。

退職届とメールを残す

損害賠償を理由に退職届を受け取らない会社もあります。

この場合、受け取ってもらえないことだけに意識を取られると、退職意思を残す動きが止まってしまいます。

大事なのは、退職の意思と退職日を、あとから見返せる形にすることです。

退職日は日付で書く

退職を伝えるときは、「辞めたいです」だけでは弱くなります。

会社が話を引き延ばしたい場合、「相談だと思っていた」「退職日は決まっていない」と言われる余地が残るからです。

文面では、退職日を日付で書きます。

たとえば、次のような形です。

退職意思を伝える文面の例です。

  • 退職の意思に変更はありません。
  • 〇年〇月〇日を退職日として、退職の意思表示をいたします。
  • 引き継ぎ資料および貸与品の返却については、必要な範囲で対応いたします。

ここでは、損害賠償への反論を長く書きません。

退職意思と退職日を先に残します。

金銭請求の話は、別の文面で根拠を求める方が混ざりにくいです。

受け取り拒否は記録に残す

退職届を手渡ししようとして受け取ってもらえない場合、その場で押し問答を続けると消耗します。

受け取りを拒否された日時、相手、言われた内容をメモしておきます。

そのうえで、メールや郵送など、あとから送った事実が残る形を検討します。

会社から「損害賠償になるから退職届は受け取らない」と言われた場合も、その言葉をそのまま結論にしないでください。

退職届を受け取らないことと、退職の意思表示ができないことは同じではありません。

引き継ぎは範囲を残す

「引き継ぎが終わるまで辞めさせない」と言われると、退職日をいつまでも延ばされることがあります。

引き継ぎは大切ですが、会社が満足するまで無制限に続けるものではありません。

ここで必要なのは、完璧な引き継ぎではなく、退職日までに残した範囲が見える状態です。

会社の満足まで付き合わない

会社が「まだ引き継ぎが足りない」と言い続ける場合、その基準が曖昧なことがあります。

何を、誰に、いつまで、どの形で渡せばよいのかが決まっていないまま、退職日だけが伸びる形です。

この場合は、引き継ぎの範囲を文字にします。

たとえば、進行中の案件、担当者、期限、保管場所、注意点を一覧にします。

会社が追加で求めるなら、口頭ではなく、項目として出してもらう方が見えやすくなります。

会社の満足度ではなく、退職日までに渡した情報と残した資料で見ることが大切です。

資料と貸与品は形にする

引き継ぎ資料は、凝った資料である必要はありません。

業務一覧、進行中案件、顧客対応、保管フォルダ、未完了事項が分かれば、最低限の形になります。

貸与品も同じです。

返却したもの、返却日、受け取った相手を残します。

貸与PC、社員証、鍵、会社スマホ、制服、名刺などは、返却漏れがあると退職後の連絡理由になりやすいです。

会社から損害賠償を言われているときほど、引き継ぎと貸与品返却は淡々と形にしておきます。

念書や誓約書はすぐ書かない

退職時に一番注意したいのは、その場で書かされる書面です。

損害賠償の話が出ている場面では、念書、誓約書、支払い承諾書のようなものを出されることがあります。

ここで焦ってサインすると、あとから「本人が認めた」と扱われるおそれがあります。

支払いを認める言葉を避ける

会社から強く言われると、「迷惑をかけたのは事実です」「責任は取ります」と言いたくなる場面があります。

しかし、金銭請求の話が出ているときは、言葉の残り方に注意が必要です。

特に避けたいのは、次のような表現です。

  • 「全額払います」
  • 「責任を取ります」
  • 「会社に損害を与えたことを認めます」
  • 「給与から引いてください」
  • 「退職金から差し引いて構いません」

謝罪そのものが常に悪いわけではありません。

ただ、金額や根拠が分からない段階で、支払いを認める言葉を残す必要はありません。

言うなら、次のように範囲を絞ります。

「ご指摘の内容については確認します。金銭請求に関する内容は、金額、根拠、内訳を書面でご提示ください。」

サイン前に持ち帰る

念書や誓約書を出されたときは、その場でサインしないことが重要です。

内容を読んでも、法律的な意味や今後の影響までその場で判断するのは難しいからです。

特に、次のような内容が入っている書面は慎重に見ます。

  • 損害賠償を認める文言
  • 研修費や採用費の返還を認める文言
  • 給与や退職金から差し引くことを認める文言
  • 退職後の連絡や対応を無期限に求める文言
  • 競業避止や秘密保持の範囲が広すぎる文言

サインする前に持ち帰ることは、対立ではなく、内容を確かめるための時間です。

会社が「今ここで書け」と迫る場合ほど、書面の中身を一度止めて見る必要があります。

念書や誓約書を出されたら、言葉より先に書面の中身を見ます。

  • 支払いを認める文言がないかを見る
  • 給与や退職金からの差し引きを認めていないかを見る
  • その場でサインせず、持ち帰る言葉を用意する

給与や退職金から引かれた時

会社が損害賠償や研修費を言っている場合、最終給与や退職金から差し引かれるケースにも注意が必要です。

口頭で言われただけで終わる場合もありますが、明細に名目不明の控除が出てくることがあります。

ここでは、退職後のお金全体には広げず、会社からの控除や請求に絞って見ます。

名目のない控除は見落とさない

最終給与が少ない場合、まず給与明細を見ます。

社会保険料や住民税など、通常の控除もあります。

ただし、損害賠償、研修費、立替金、弁償金などの名目が入っている場合は、別に見ます。

会社が一方的に給与から差し引いているなら、その根拠を聞く必要があります。

見る場所は、支給額よりも控除欄です。

退職金がある場合は、退職金明細も見ます。

「説明された金額」と「実際に引かれた金額」が違う場合もあります。

一部支払いでも慎重に見る

会社から「とりあえず一部だけ払って」と言われる場合もあります。

このときも、金額が小さいからといって簡単に払わない方がいいです。

一部でも支払うと、後から「本人が請求を認めた」と言われる余地が出ることがあります。

払うかどうかを決める前に、請求書、内訳、根拠となる書面を見ます。

すでに給与や退職金から引かれている場合は、明細を手元に置いたうえで、総合労働相談コーナーや弁護士に見てもらう方が安全です。

会社への返事は書面に寄せる

会社にどう返すかは、このテーマでかなり大事です。

強く反論したくなる場面ですが、返事の目的は相手を言い負かすことではありません。

退職意思を残し、金銭請求の根拠を出してもらい、不利な言葉を残さないことです。

金額と内訳を出してもらう

会社から「損害賠償する」と言われたら、次のような文面にします。

会社から損害賠償を言われた場合の文面例です。

  • ご指摘の内容について確認いたしました。
  • 金銭の請求に関する内容については、金額、根拠、内訳、発生した損害の内容を確認したいため、書面またはメールでご提示いただけますでしょうか。
  • 退職手続きおよび引き継ぎについては、必要な範囲で対応いたします。

この文面の狙いは、会社と争うことではありません。

口頭の強い言葉を、書面に残る請求へ移すことです。

会社が具体的に請求するなら、金額、根拠、内訳を出してもらいます。

出てこないなら、口頭の圧力と見分けやすくなります。

退職意思は別に伝える

金銭請求の話が出ると、退職意思の文面まで長くなりがちです。

しかし、退職意思と損害賠償への返答は、分けた方が読みやすくなります。

退職届を受け取ってもらえない場合は、次のように退職意思を短く残します。

退職意思を残す文面例です。

  • 退職の意思に変更はありません。
  • 〇年〇月〇日を退職日として、退職の意思表示をいたします。
  • 引き継ぎ資料および貸与品の返却については、別途整理して対応いたします。

文面から削るべき言葉もあります。

次のような言い方は、送る前に外した方がいいです。

  • 「訴えられるものなら訴えてください」
  • 「払う気は一切ありません」
  • 「脅迫ですよね」
  • 「労基に言いますよ」
  • 「もう会社には行きません」
  • 「損害なんて知りません」

これらは本音として出てくる言葉かもしれません。

ただ、送ったあとに残る文面としては強すぎます。

怖い言葉ほど、その場で飲み込まず、金額・根拠・内訳・退職との関係を分けて見ることです。

会社へ返す文面では、強い反論よりも、残る言葉を選びます。

  • 退職意思と退職日は短く残す
  • 損害賠償は、金額・根拠・内訳を書面で求める
  • 支払いを認める言葉と挑発的な言葉を削る

相談先は内容で分ける

損害賠償を言われたとき、相談先を一つに決めようとすると迷いやすくなります。

労基署に行けばすべて解決するわけでも、弁護士に行くしかないわけでもありません。

相談先は、会社から何をされているかで分けます。

労基署だけで終わらない

労基署は、賃金未払い、労働時間、安全衛生など、労働基準法に関わる問題で力を発揮しやすい窓口です。

一方で、退職時の損害賠償請求そのものが民事上の争いになる場合、労基署だけで結論が出るとは限りません。

総合労働相談コーナーは、解雇、雇止め、配置転換、賃金引下げ、いじめ・嫌がらせ、パワハラなど、幅広い労働問題を相談できる公的窓口です。

会社の言葉が強く、どこに相談すべきか分からない段階では、最初の相談先として使いやすい場合があります。

相談するときは、次のものを手元に置きます。

  • 会社からのメールやチャット
  • 損害賠償と言われた日時と相手
  • 請求額や内訳が分かるもの
  • 雇用契約書や労働条件通知書
  • 就業規則や誓約書
  • 最終給与明細や退職金明細

相談先に行く前に完璧な資料を作る必要はありません。

ただ、会社の言葉だけでなく、日付、金額、書面があると話が通りやすくなります。

弁護士に回す場面

実際に請求書が届いた場合や、弁護士名で通知が来た場合は、弁護士相談を考える場面です。

また、給与や退職金から勝手に差し引かれた場合、念書にサインしてしまった場合、会社から訴訟を示す書面が届いた場合も、早めに見てもらった方がいいです。

退職代行は、退職意思を会社へ伝える場面では助けになることがあります。

ただし、会社から損害賠償や金銭請求が出ている場合、退職代行だけでその請求の中身まで解決できるとは限りません。

退職を伝える話と、金銭請求への対応は別に見ます。

脅しの言葉に屈しないことが重要

会社から「損害賠償する」と言われると、その言葉だけが頭に残ります。

けれど、退職時に見るべきものは、その一言だけではありません。

退職日、退職届、引き継ぎ資料、貸与品、請求額、内訳、誓約書、給与明細。

それぞれを分けて見ると、会社の言葉に飲まれたまま動けなくなる状態から抜け出しやすくなります。

  • 会社に迷惑をかけたいわけではないからこそ、退職意思は文面で残します。
  • 金銭請求を言われたからこそ、金額と根拠を出してもらいます。
  • 引き継ぎを求められたからこそ、範囲を資料にします。

強い言葉に強い言葉で返す必要はありません。

会社の言葉が強くても、自分の退職意思まで差し出さなくていいです。

その場で飲み込まず、書面と事実で線を引いていくことが、退職を不利にしないための土台になります。

  この記事を書いた人  

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守人

元CA・RA経験 × 当事者経験 × 生活防衛視点

大学では法律学を専攻。元人材紹介会社で、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーの両方を経験。

求職者の不安と、企業が採用・配置・評価で何を見ているかの両面を現場で見てきました。

自身も、パワハラや違法労働が疑われる環境で不利益な扱いを受け、記録、時系列、証拠、制度理解をもとに単独で主張を整理し、最終的に示談金350万円で解決した経験があります。

こうした現場経験と当事者経験の両方を通じて、私は、日本では真面目に働く人ほど消耗しやすく、理不尽を我慢することが当たり前になりやすい「社畜化」の構造に強い問題意識を持つようになりました。

このブログでは、会社に人生を握られず、自分の意思で働き方を選ぶための判断軸を発信しています。

FP資格・企業年金総合プランナー資格を活かし、退職、休職、転職、給付、社会保険、年金まで含めた生活防衛術も発信します      

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