休職中に「辞めてほしい」と言われたら?退職勧奨を断る前に確認すること

休職中に会社から「退職届を出してほしい」と言われたら、最初に見るべきものは返事の言葉ではありません。

退職日、休職満了日、診断書、傷病手当金の扱いを見ないまま話を進めると、あとで選べる手段が狭くなります。

この記事は約10分で読めます。

退職を決めるための記事ではなく、会社へ返事をする前に手元で見るべき書類、日付、お金の条件をまとめています。

  • 退職届を出す前に、手元へ残す記録が分かる
  • 会社への返事で、どこまで書けばよいかが見える
  • 傷病手当金・健康保険・離職理由で見落としやすい点を拾える

私は元大手人材紹介会社で、CA・RAの両面から1000人以上の転職支援に関わってきました。

退職理由を本人側から聞くだけでなく、企業側が退職日、離職理由、退職届、面談記録をどう残そうとするかも見てきました。

FP資格と企業年金総合プランナー資格の知識、自身が職場での不利益対応に記録・時系列・書面で向き合った経験をもとに、この記事では休職中に退職届を求められたときの見方を扱います。

休職中は退職届を急がない

休職中に退職勧奨を受けたとき、最初に止めたいのは退職そのものではありません。

まず止めたいのは、退職届や退職合意書にその場で進む流れです。

会社から「退職届だけ先に送ってください」と言われると、書類を出さないと話が進まないように見えることがあります。

しかし、退職届は単なる確認メモではなく、あなたの退職意思を示す書面として扱われる可能性があります。

退職勧奨は合意前なら断れる

退職勧奨は、会社からの「辞めませんか」という提案です。

あなたが合意していなければ、退職が成立したとは限りません。

休職中であっても、退職する意思がないなら、現時点で退職の意思はありませんと伝えることはできます。

ここで大事なのは、会社に長く反論することではありません。

退職しない意思を短く示し、会社が何を根拠に退職の話をしているのかを、書面やメールで受け取ることです。

休職満了や解雇とは分けて考える

会社の言葉が「退職しませんか」ではなく、「休職期間が満了するので退職になります」だった場合は、見方が変わります。

これは退職勧奨というより、就業規則上の休職満了や自然退職の話として扱われている可能性があります。

また、「解雇します」と言われた場合も、退職勧奨とは別です。

解雇は、労働契約法上の合理性や相当性が問題になる場面です。

会社の言い方が似ていても、退職勧奨・自然退職・解雇では、見る書類も対応も変わります

怖いときほど電話だけで決めない

休職中の電話は、あとから内容が残りにくいです。

  • 「退職の話をしました」
  • 「本人も納得していました」

と会社側にまとめられると、あとで修正するのが面倒になります。

電話で話した場合でも、あとからメールで「本日の内容について、私の認識は以下です」と送っておくと、記録として残しやすくなります。

電話を完全に避ける必要はありません。

ただし、

  • 退職日
  • 退職意思
  • 離職理由
  • 復職可否

は電話だけで終わらせない方が安全です。

この章で止めるべきことは、退職そのものではありません。

先に止めたい流れは、次の通りです。

  • 退職届をその場で書かない
  • 退職日を口頭だけで決めない
  • 電話で話した内容をメールに残す

まず分けたい会社の言い方

休職中の退職勧奨でややこしいのは、会社の言葉が一つに見えて、実際には別の話が混ざっていることです。

  • 「辞めた方がいいと思う」
  • 「休職期間が満了します」
  • 「復職は認められません」

は、同じ退職の話に見えても意味が違います。

ここを混ぜたまま返事をすると、本当は争点にすべきところまで、退職の同意として流れてしまうことがあります。

「辞めませんか」は退職勧奨

会社から「一度退職して療養に専念してはどうですか」と言われた場合、それは退職勧奨として出されていることが多いです。

提案であれば、あなたが応じるかどうかを決める余地があります。

その場で「分かりました」と言う前に、会社の提案内容を文字で残してもらってください。

たとえば、

  • 退職日
  • 退職金や解決金の有無
  • 離職理由
  • 傷病手当金の申請協力
  • 有給の扱い

などです。

退職勧奨は、条件が見えないまま返事をするものではありません

「満了で退職」は自然退職の話

会社が「休職期間が満了するので退職です」と言ってきた場合、まず見るのは就業規則です。

  • 休職期間が何か月なのか
  • 延長規定があるのか
  • 復職判断の手続きがどう書かれているのか

を見ます。

ここで、会社の口頭説明だけを根拠にしないでください。

「満了」と言われても、

  • 休職開始日
  • 満了日
  • 復職可能性
  • 診断書の内容

によって、争点になる部分が残ることがあります。

会社の言い分は、正式な根拠そのものではありません

「復職不可」は判断根拠を見る

会社から「復職は難しい」と言われたときも、その一言で終わらせない方がよいです。

復職不可という話なら、

  1. 誰が
  2. 何を見て
  3. どの業務が難しいと判断したのか

が重要になります。

主治医の診断書では復職可能とされているのに、会社が難色を示すこともあります。

その場合は、

  • 産業医面談の有無
  • 業務内容
  • 配置転換の可否
  • 段階的復職の扱いなど

を見ることになります。

会社側は、

  • 復職後に通常業務を任せられるか
  • 他部署で受け入れられるか
  • 再休職のリスクがあるか

を見ています。

だからこそ、あなた側も会社の評価だけでなく、診断書と就業規則と実際の業務内容を並べて見る必要があります。

会社の言葉は、次のように分けて受け取ります。

  • 「辞めませんか」は、退職勧奨として扱う
  • 「満了で退職」は、就業規則と休職満了日を見る
  • 「復職不可」は、判断した人・根拠・業務内容を聞く

退職意思がない場合の返事

「休職中の退職勧奨の断り方」で検索する人が一番ほしいのは、使える文面だと思います。

ただ、文面で大事なのは強さではありません。

退職の意思がないことは明確にし、余計な反論は増やさないことです。

長く書きすぎると、論点が増えます。

短すぎると、会社に都合よく受け取られる余地が残ります。

断るメール例文

退職する意思がない場合は、次のような文面が使いやすいです。

退職勧奨を断る場合の例文です。

  1. ご連絡ありがとうございます。
  2. 現時点では退職の意思はなく、まずは療養と復職に向けた確認を進めたいと考えております。
  3. 退職に関するご提案については、現段階では応じかねます。
  4. 今後の休職期間、復職判断に必要な書類、面談の有無について、書面またはメールでご案内いただけますと幸いです。

この文面では、会社を責めていません。

一方で、退職の意思がないことははっきり残しています。

さらに、復職判断に必要な書類や面談の有無を聞いているため、話を退職だけに寄せすぎない形になります。

保留したいときの例文

まだ退職するかどうか決められない場合は、無理に「断ります」と書かなくてもよい場面があります。

ただし、「検討します」だけだと、退職前提の検討として進められることがあります。

保留するなら、何を見てから返事をするのかを入れておきます。

判断を保留したい場合の例文です。

  1. ご連絡ありがとうございます。
  2. 退職に関するご提案については、現時点で回答を保留させてください。
  3. 休職満了日、復職判断の手続き、傷病手当金申請への対応、退職となる場合の条件について確認したうえで、改めて返答いたします。
  4. つきましては、会社としてのご提案内容を書面またはメールでご共有ください。

ここでは、返事を先延ばしにしているだけではありません。

返事の前に見る条件を会社へ示しています。

この形にしておくと、会社から追加で話が来たときも、同じ軸で返しやすくなります。

連絡がつらいときの例文

休職中は、会社からの電話や面談が負担になることがあります。

その場合でも、無視を続けるより、連絡方法をメール中心にしてもらう方が記録も残ります。

体調面を詳しく書きすぎる必要はありません。

必要な範囲で、やり取りの方法を指定します。

メール中心にしたい場合の例文です。

  1. 現在、体調面を考慮し、電話での対応が難しい状況です。
  2. 退職や復職に関するご連絡は、当面の間、メールでいただけますと幸いです。
  3. いただいた内容を確認したうえで、必要な事項について返信いたします。

この文面は、会社との連絡を拒否するものではありません。

やり取りを残る形に変えるための文面です。

休職中の退職勧奨では、返事の内容だけでなく、返事の残し方も大事です

返事を作るときは、次の形に寄せます。

  • 退職の意思がないことは短く書く
  • 退職条件や復職手続きは、書面またはメールで受け取る
  • 長い反論より、会社に聞く項目を具体的に置く

退職届を書く前の確認事項

退職届を書く前に見るものは、退職届の書き方ではありません。

まず見るのは、

  • 休職満了日
  • 就業規則
  • 診断書
  • 産業医面談
  • 退職条件

です。

ここを飛ばしてしまうと、自分では退職勧奨を断ったつもりでも、会社側では退職手続きが進んでいるというズレが起きます。

休職満了日と就業規則

会社から退職の話が出たら、最初に休職満了日を見ます。

  • 休職開始日がいつで、満了日がいつなのか
  • 延長規定があるのか
  • 復職するには、何日前までに何を出す必要があるのか

このあたりが曖昧なままだと、退職勧奨なのか、自然退職の予告なのかが見えにくくなります。

就業規則が手元にない場合は、会社へ「休職規程と復職手続きに関する該当箇所をご共有ください」と送っておくとよいです。

主治医の診断書と産業医

復職の話では、主治医の診断書だけで完結しない会社もあります。

会社によっては、

  • 産業医面談
  • 復職判定会議
  • 業務内容の調整

が入ります。

ここで気をつけたいのは、主治医が「復職可能」と書ける範囲と、会社が「この職場で受け入れ可能」と見る範囲がズレることです。

だからこそ、会社が復職を難しいと言うなら、

  • どの業務が難しいのか
  • どの資料をもとに判断するのか

を聞く必要があります。

「復職は無理です」とだけ言われても、そのまま退職判断に直結させない方がよいです。

退職条件と離職理由

退職に応じる可能性が少しでもあるなら、条件は口頭で終わらせないでください。

  • 退職日
  • 退職理由
  • 離職票の離職理由
  • 有給消化
  • 未払い賃金
  • 退職金や解決金の有無
  • 傷病手当金申請への協力など

を見ます。

特に離職票の離職理由は、失業給付や国民健康保険の軽減に関わる場合があります。

「会社都合にしてくれますか」といきなり言うより、まずは会社がどの離職理由で処理する予定なのかを書面で受け取る方が進めやすいです。

退職届を書く前に、手元へ置きたいものがあります。

  • 休職満了日がいつ扱いになっているか
  • 就業規則の休職・復職に関する箇所
  • 退職条件と離職理由が口頭だけで進んでいないか

傷病手当金と退職日の盲点

休職中の退職勧奨で、見落とすと大きいのがお金の時間差です。

退職日を決めると、

  • 健康保険
  • 傷病手当金
  • 住民税
  • 失業給付の扱い

が一気に関わってきます。

FP資格を持つ立場から見ても、この場面では「辞めるかどうか」だけでなく、収入が止まる日と支払いが来る日を並べて見ることが重要です。

退職後も必ず続くとは限らない

傷病手当金は、退職後も一定の条件を満たせば継続して受けられる場合があります。

ただし、退職すれば必ず続くわけではありません。

  • 退職日までの健康保険の被保険者期間
  • 退職時点で受給しているか
  • 受給できる状態にあるかなど

確認が必要な条件があります。

また、退職日に出勤した場合の扱いも注意が必要です。

傷病手当金を見ないまま退職日を決めるのは、かなり危ない進め方です

会社から退職日を提示されたら、返事の前に、加入している健康保険や協会けんぽ、会社の担当者に確認する項目を書き出してください。

健康保険と住民税も見る

退職後の健康保険は、大きく分けると

  • 任意継続
  • 国民健康保険
  • 家族の扶養など

の選択肢があります。

どれが合うかは、

  • 収入
  • 家族構成
  • 保険料
  • 自治体の扱い

によって変わります。

住民税も、会社員時代は給与から引かれていたものが、退職後に納付書で届くことがあります。

休職中で収入が少ない時期に、健康保険料と住民税が重なると、手元資金が一気に減ります。

ここは細かな制度を丸暗記するより、退職前に毎月いくら出ていくかを数字にする方が役に立ちます。

働けない時期の雇用保険

失業給付は、働く意思と能力がある人を前提にした制度です。

病気やけがですぐ働けない場合、基本手当をすぐ受け取れないことがあります。

その場合は、受給期間延長の手続きが関係する場合があります。

休職中の退職では、「退職したら失業保険があるから大丈夫」と単純には考えない方がよいです。

  • 傷病手当金
  • 健康保険
  • 住民税
  • 雇用保険

は、退職日の前に一度並べて見る必要があります。

退職日を決める前に、お金の流れを見ます。

  • 傷病手当金が退職後も続く条件に当てはまるか
  • 健康保険料と住民税が、退職後いつ請求されるか
  • 働けない期間に、失業給付へすぐ進めるとは限らないこと

断った後に残すべき記録

退職勧奨を断ったあと、会社の対応が変わることがあります。

  • 面談が増える
  • 復職の話が急に厳しくなる
  • 担当者の言い方が変わる
  • 異動や仕事外しの話が出る

すべてが違法という意味ではありません。

ただ、あとで説明できる形にしておかないと、ただの印象で終わってしまいます

面談内容は時系列で残す

私自身、会社対応で不利益を受けたときに後から効いたのは、強い言葉ではありませんでした。

効いたのは、

  1. いつ
  2. 誰が
  3. 何を言い
  4. こちらがどう返したか

を時系列で残していたことです。

休職中の退職勧奨でも同じです。

面談後に、

  • 日付
  • 相手
  • 場所
  • 言われた内容
  • 退職届を求められたか
  • 復職に関する説明があったか

をメモします。

記録は、会社を攻撃するためではなく、自分の説明を崩さないために残します

復職拒否や嫌がらせの記録

退職勧奨を断ったあとに、復職の話だけが急に厳しくなる場合があります。

たとえば、

  • 「戻っても任せる仕事がない」
  • 「今の部署では難しい」
  • 「診断書だけでは足りない」

と言われる場面です。

その言葉だけで、すぐに退職や違法性の話へ飛ばない方がよいです。

まずは、会社が何を理由にしているのかを残します。

  • 仕事がないのか
  • 配置先がないのか
  • 勤務時間が問題なのか
  • 診断書の内容が足りないのか

理由を分けて残すほど、相談先に持っていきやすくなります

相談先に出せる形に整える

相談先に持っていく材料は、多ければよいわけではありません。

  • 録音
  • チャット
  • メール
  • 診断書
  • 就業規則
  • 給与明細

があっても、時系列がぐちゃぐちゃだと伝わりにくくなります。

まずは、1枚で流れが追えるメモを作るとよいです。

  1. いつ休職に入ったのか
  2. いつ退職勧奨を受けたのか
  3. いつ断ったのか
  4. その後に何が起きたのか

この順番が見えるだけで、

  • 労働局
  • 弁護士
  • 社労士
  • 主治医など

に話すときの負担が減ります。

断った後に残す記録は、量より順番です。

  • 退職勧奨を受けた日、相手、言葉をメモする
  • 復職不可や配置変更の理由を、会社の言葉で残す
  • 相談先に見せる時系列を1枚にまとめる

会社に今言わない方がよい言葉

休職中に退職を迫られると、言い返したくなる場面があります。

それ自体は自然です。

ただ、早い段階で強い言葉を出すと、会社が守りに入り、以後のやり取りが硬くなることがあります。

この記事ですすめたいのは、会社に遠慮することではありません。

言葉を先に出すより、記録と条件を先に残すことです。

強い言葉ほど早く出さない

次の言葉は、材料が揃う前に出さない方がよいです。

先に出すと、話がこじれやすい言葉です。

  • 「違法ですよね」
  • 「訴えます」
  • 「退職強要ですよね」
  • 「ブラック企業ですよね」

これらの言葉を言う場面が絶対にない、という意味ではありません。

ただ、

  • 退職日
  • 休職満了日
  • 会社の提案内容
  • 診断書
  • 傷病手当金の扱い

が見えていない段階では、先に出すほど損をしやすいです。

強い言葉は、材料が揃ってからでも遅くありません

録音や相談先は不用意に出さない

「全部録音しています」と言いたくなる場面もあります。

しかし、それを先に伝えると、会社が口頭で話さなくなったり、形式的な文面だけに切り替えたりすることがあります。

相談先についても同じです。

  • 「労基に行きます」
  • 「弁護士に相談します」

と早く言うより、先に会社の説明をメールで受け取る方が、後から材料になります。

証拠があることを見せるより、証拠として残る形に変える方を優先してください。

反論より確認を優先する

会社の言い方に納得できないときほど、反論文を書きたくなります。

しかし、休職中の退職勧奨では、長い反論より短い質問の方が効く場面があります。

たとえば、次のように聞きます。

  • 退職勧奨としてのご提案でしょうか
  • 休職満了による自然退職のご案内でしょうか
  • 復職不可との判断であれば、判断根拠をご教示ください
  • 退職となる場合の離職理由は、どのような扱いになりますか

質問にしておくと、会社側の説明が残ります。

反論で押し返すより、会社が何を根拠に言っているのかを表に出す方が、あとで動きやすくなります。

今は、言葉の強さで勝負する場面ではありません。

  • 「違法」「訴える」は、材料が揃う前に出さない
  • 録音や相談先を先に見せすぎない
  • 反論より、会社の根拠を書面で出してもらう

辞める場合も条件を先に見る

この記事は、退職勧奨を必ず断るための記事ではありません。

休職中の状態や会社との関係によっては、退職に応じる選択が合う人もいます。

大事なのは、辞めるか残るかを急いで決めることではありません。

辞める場合でも、条件を見ないまま退職届を出さないことです。

退職日は生活から逆算する

退職日は、会社が区切りやすい日で決めるものではありません。

  • 傷病手当金
  • 健康保険
  • 住民税
  • 有給
  • 次の収入予定

から逆算して見ます。

月末退職と月途中退職では、社会保険や給与の扱いに差が出る場合があります。

退職日に出勤するかどうかが、傷病手当金の継続に関わる場合もあります。

退職日は、書類上の日付であると同時に、お金の切り替え日です

書面で確認したい条件

退職に応じる場合は、条件をメールや書面で受け取ってください。

口頭で「悪いようにはしない」と言われても、あとで内容が変わることがあります。

書面で見たい項目は、次の通りです。

  • 退職日
  • 有給消化の扱い
  • 未払い給与や退職金の有無
  • 離職票の離職理由
  • 傷病手当金申請への会社記入欄の対応
  • 退職条件として提示される金銭の名目と支払日

金額が提示された場合も、金額だけで見ない方がよいです。

  • 支払日
  • 名目
  • 税金
  • 離職理由
  • 退職日との関係

まで見てから返事をします。

納得できないまま署名しない

退職合意書や退職届に署名すると、あとから「本当は違った」と言いにくくなります。

もちろん、すべてが取り返しのつかないものになるとは限りません。

ただ、署名前と署名後では、交渉のしやすさが変わります。

会社から「今日中にお願いします」と言われても、持ち帰ることはできます。

読めていない書面には、名前を書かない

これは強い態度ではなく、自分の生活に関わる書類を扱う最低限のポイントです。

退職に応じる場合でも、先に見る条件があります。

  • 退職日は、給付・保険・税金の切り替え日として見る
  • 有給、離職理由、会社証明は書面で受け取る
  • 読めていない退職合意書には署名しない

本人主導で次の一歩を決める

休職中の退職勧奨で大事なのは、会社に勝つことではありません。

会社の結論にそのまま乗る前に、自分側の条件を手元へ戻すことです。

怖いときほど、会社の結論に乗る前に、自分の手元で

  • 日付
  • 書類
  • お金

を並べ直してください。

一人で抱え込むこととは違う

本人主導とは、全部を一人で処理することではありません。

自分でできるのは、

  • 会社から言われた内容を時系列にすること
  • 退職の意思がない場合のメールを送ること
  • 就業規則や休職満了日を手元に置くこと

です。

一方で、

  • 復職拒否
  • 休職満了の扱い
  • 傷病手当金の手続き拒否
  • 解雇通知のような話

は、一人で抱え込まない方がよいです。

  • 労働局
  • 弁護士
  • 社労士
  • 主治医など

相談先へ出せる材料を作ってから持っていく方が、話が早くなります。

第三者に相談すべき場面

次のような場面では、相談先を使うことを考えてください。

  • 退職届の提出を強く迫られている
  • 退職勧奨を断った後に、不利益な扱いが増えた
  • 復職可能と診断されているのに、会社が理由を示さず拒んでいる
  • 休職満了や自然退職の扱いに納得できない
  • 傷病手当金の会社記入欄に協力してもらえない
  • 解雇や退職扱いの通知を受けた

相談するときは、「会社がひどいです」だけでは伝わりにくいです。

  1. いつ
  2. 誰が
  3. 何を言い
  4. どの書類があり
  5. どの日付が問題なのか

を持っていくと、相手も判断しやすくなります。

今日やることは三つでいい

最後に、今日やることを三つに絞ります。

  1. 退職届や退職合意書には、その場で署名しない
  2. 会社への返事はメールで残し、「現時点で退職の意思はありません」と伝える
  3. 休職満了日、就業規則、復職判断の流れ、傷病手当金を手元で見る

全部を一日で終わらせる必要はありません。

ただ、退職届だけは先に出さないでください。

退職するにしても、復職を目指すにしても、保留するにしても、

  • 日付
  • 書類
  • お金

が見えてからの方が、自分で選びやすくなります

休職中の退職勧奨では、「断れるかどうか」だけに目を向けると、話が細くなります。

  • 退職意思
  • 復職意思
  • 休職満了日
  • 傷病手当金

を分けて見る。

そのうえで、会社へ短く返事を残す。

この順番を外さなければ、会社の言葉に押されても、あなたの選択肢はまだ手元に残せます。

  この記事を書いた人  

守人のプロフィール画像

守人

元CA・RA経験 × 当事者経験 × 生活防衛視点

大学では法律学を専攻。元人材紹介会社で、キャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーの両方を経験。

求職者の不安と、企業が採用・配置・評価で何を見ているかの両面を現場で見てきました。

自身も、パワハラや違法労働が疑われる環境で不利益な扱いを受け、記録、時系列、証拠、制度理解をもとに単独で主張を整理し、最終的に示談金350万円で解決した経験があります。

こうした現場経験と当事者経験の両方を通じて、私は、日本では真面目に働く人ほど消耗しやすく、理不尽を我慢することが当たり前になりやすい「社畜化」の構造に強い問題意識を持つようになりました。

このブログでは、会社に人生を握られず、自分の意思で働き方を選ぶための判断軸を発信しています。

FP資格・企業年金総合プランナー資格を活かし、退職、休職、転職、給付、社会保険、年金まで含めた生活防衛術も発信します      

労働トラブル・相談先

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